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[ステンドグラス] 各キャンパスの福澤先生像

1999/07/01 (「塾」1999年JULY(No.220)掲載)
慶應義塾の創始者である福澤諭吉の姿を写した銅像あるいは肖像画は、慶應義塾の各キャンパス内だけでなく、日本各地にも存在する。今回は各キャンパス内にある福澤先生の銅像を紹介したい。
 初めて福澤先生の銅像制作の話が持ち上がったのは、明治24年頃だったと伝えられる。先生の姿を後世に残したいという話が塾員の間からおこり、たちまち1千名近くの賛成を得たという。当初は銅像制作に同意しなかった福澤先生も、塾員の熱心な希望を聞き入れ、制作に至ったといわれている。作成は、閉じ一流の彫刻家としてその名を知られていた大熊氏広があたった。その後、約3年の歳月を費やしてほぼ等身大の座像が完成した。これが最初の福澤先生の像である。

- 三田キャンパス

設置場所:図書館旧館正面玄関左側(昭和58年9月29日に移設)
受入年 :昭和29年1月10日
製作者 :柴田佳右(日展の無鑑査)
寄付者 :福澤先生銅像建設会(背中に「独立自尊」1953年佳石謹作とある)
●福澤先生の四女志立瀧子と北澤樂天氏が熱心に助言して作られた。
●銅像除幕式は昭和28年5月22日の交殉社においておこなわれた。
●第4回目の作 

- 日吉キャンパス

設置場所:図書館正面
受入年 :昭和60年5月18日
制作者 :山名常人
寄付者 :慶應義塾商工学校工業学校同窓会
●学生たちの待ち合わせ場所(「ゆきちまえ」)として知られている。 

- 湘南藤沢キャンパス

設置場所:メディアセンターと研究・教室棟の間
受入年 :平成3年
制作者 :1985年 山名常人
寄付者 :慶應義塾商工学校同窓会、工業学校卒業生、中等部特別第1回・第2回卒業生含む

- 信濃町キャンパス

設置場所:大学病院中央棟玄関ロビー
受入年 :昭和50年4月27日
制作者 :柴田佳石
寄付者 :医学部第3回同級会(大正14年)卒業記念品として寄贈される

- 志木高校

設置場所:正門から斜路を上がり、校舎内に入ってまっすぐのところ
受入年 :志木高校への移設は昭和44年6月。前述の第1回の作であり、明治26年10月22日に披露された。当初は三田・煉瓦講堂の2階に設置されたが、明治28年以降は福澤自宅の土蔵内に保存されていた。
制作者 :大熊氏広
●教室への通り道にあり、昔は一礼してから授業に向かう生徒も多かったとか。