記者の日常 #009（塾生新聞会）

広大な森。その下を貫く東海道新幹線。そして、縄文時代の遺跡。

慶應義塾大学の日吉キャンパスでは、都会ではめったに味わえない自然や、古今東西の遺産に触れることができます。実際に広大な敷地を用いて、多様性に富んだ授業も行われています。
　　　　　

私は1クラス20人程度で、発表やディスカッション、実践的な学びをする「少人数セミナー形式の授業」に特に力を入れています。大学は300人程度が一斉に受講する形式の授業が多いのですが、ここでは教授や仲間との距離も近く、切磋琢磨しながら学ぶことができます。

現在、私自身が履修している少人数セミナー形式の授業の一部をご紹介します。「雑木林の管理と実践」という授業では、実際に日吉の森で鎌を用いて草刈りをしたり、木を伐採したりしています。絶滅危惧種の花やクワガタを間近に見ることもあり、東京育ちの私にとっては、毎週とても新鮮な気持ちです。「地域経済を考える」という授業では、グループでテーマを決めて、日吉の町をフィールドワークしたことがあります。キャンパスの裏手に東海道新幹線を見に行ったり、商店街のお店を巡ったりと、クラスメイトの個性的なテーマ設定に驚きました。

これまで紹介したような多種多様な授業を履修できるとはいえ、受験勉強を頑張っている皆さんの中には、「○○という学問分野に興味があるから、この学部を目指している」という人も多いでしょう。私も受験生の時は学びたいことが複数あり、学部選びに悩みました。

私が所属する法学部法律学科では、1年生から憲法・民法・刑法の専門的な授業が始まります。法科大学院で授業を受け持つ教授が担当することもあるため、授業内容はとても高度です。正直、大学の予習・復習や試験勉強にここまで苦労するとは想像していませんでした。しかし、法律を学ぶ視点から他の学問領域のことを考えたり、社会で起こっている問題について論理的に考察できるようになったりすることは、早期から専門科目を学習する効用だと感じます。

「法学演習」と呼ばれる法律学に特化した少人数セミナー形式の授業も開講されています。私も、塾員(卒業生)で弁護士として活躍する講師から、民法を実践的に学ぶことができ、とても勉強になりました。

法律学科では法曹を目指している同級生もたくさんいます。しかし、法曹志望に限らず、さまざまな授業の中から自分の興味のあるものを発掘すれば、法律学と教養を両輪で探求できると感じています。勉強を楽しみたいという人には、ぜひ慶應義塾大学に来てほしいです。