新保プロジェクトが開発したCAマークがパビリオン展示ロボットに4塾 AUTUMN 2025NO.328 総合政策学部の新保史生教授がプロジェクトマネージャーを務める「ムーンショット型研究開発事業」では、サイバネティック・アバター(CA)の安全性と信頼性を確保するため、パスポートや通貨に匹敵する高度な偽造防止技術を組み込んだCAマークを開発しました。電子透かし技術により、スマートフォンアプリで真贋判定が可能です。大阪・関西万博の石黒浩・シグネチャーパビリオン「いのちの未来」のロボットに貼付し、利用者が安全基準に適合したCAを容易に識別できる、CA社会の信頼基盤となる重要な認証システムとして展示しています。﹁双鶴﹂がつくるのは館内各所で来場者が休憩するために置かれた﹁スツール﹂です。一見、大きな樹木の切り株のようにも見えるこのスツールは、﹁ファームエリア﹂などで紹介された藻類を混ぜ込んだバイオプラスチックを素材に、日本館の3つのゾーンをイメージした複雑な曲面で構成され、和の趣を感じさせるデザインとなっています。﹁3Dプリンタはこの十数年で急速に進化しました。親子2基の﹃双鶴﹄はその最新型であり、製造だけでなく仕上げや検査まで一貫して行える、汎用的な循環型ものづくりシステムを国内外にアピールするチャレンジでもありました。最先端のデジタル技術を使った﹃双鶴﹄を日本のものづくりの伝統の中に位置づけることが私の目標です﹂会場を訪れた世界各国の研究者からも注目を集めた﹁双鶴﹂。現在は移動可能な車両型の開発を進めており、また海外の研究者や企業・団体との連携も視野に入れています。日本のものづくり文化と先進技術の融合により生み出された﹁双鶴﹂は、世界へとその可能性の翼を広げようとしています。日本館のコンセプト﹃いのちと、いのちの、あいだに﹄をより具体的かつリアルに感じていただきたいです﹂田中教授の願い通り、息の合った作業工程を見せてくれる﹁双鶴﹂の姿に多くの来場者が立ち止まり、その生命感あふれる動きに見入っていました。休憩所のひとつは、2007 年環境情報学部卒業の山田紗子君が設計しました撮影:大竹 央祐動いている「双鶴」の様子はこちらColumn
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