塾 AUTUMN 2025NO.328 ◉ニューヨーク学院︵高等部︶ 主事 1990年に設立された慶應義塾ニューヨーク学院は、本年で35周年を迎える。慶應義塾全体の歴史や伝統と比較するとまだまだ若い存在ではあるが、この35周年を機に﹁歴史を振り返り、未来へつなぐ﹂アーカイブプロジェクトを始動した。35歳の若い学校だからこそできる、小回りの利いたアーカイブを目標としている。本校では、アーカイブ担当の委員会を設置し、創立当初からの資料や記録を整理、集約する作業を開始した。これまで各部署や時には個人が所有していて、散在していた文書や写真、さまざまな記録媒体を集め直し、デジタルと紙媒体の両面で保存を試みている。記録の中には、学生の落書きや教員のメモ書きといった一見些さ細さいなものも含まれているが、そうした資料こそが当時の雰囲気を映す貴重な証拠であり、その﹁息遣い﹂をいかに未来へ伝えるかが問われている。さらに、資料を集めるだけでなく、展示の方法によってその背景や意図をいかに表現するかという方法論も重要である。創立以来変わらず受け継がれてきたものもあれば、時代とともに評価が変化してきたものもある。それらを公平かつ等れたが、35周年を迎えた今、必要とされるのはその都度の回顧にとどまらない永続的な歴史を積み重ね続ける仕組みづくりである。人の手による収集に頼るのではなく、自動的に記録が蓄構築し、運用することが、本校が自らの歩みを確認し、次の世代へと橋渡しする重要な方法論はすでに3000名を超えた。ニューヨークという多様性あふれる土地で学び舎を築いてきた創立から35年が経ち、卒業生創立35周年、記録と記憶を紡ぐアーカイブ山やま本もと富とみ夫おしく記録することが、後世に真実の歴史を伝える基盤となる。また、歴史を振り返るだけでなく、今後の記録をいかに体系的に残していくかという視点も欠かせない。25周年の際には、当時の先生方のご尽力により立派な冊子が作成さ本校は、これからも新たな歴史を積み重ねていく。その過程で、過去を正しく記録し、未来の生徒や関係者が自由に触れられる形にしていくことが求められる。歴史とは単なる記録ではなく、生きた知恵と文化の蓄積である。35周年を迎えた今、慶應義塾ニューヨーク学院は、50周年、さらにその先へとつなげていく第一歩を踏み出した。15普通部中等部幼稚舎横浜初等部イヤーブックの在庫整理中に発見された品々と積なさるれだてろいうく。ようなシステムを湘南藤沢中等部・高等部高等学校志木高等学校女子高等学校ニューヨーク学院(高等部)一一貫貫教教育育校校のの広広場場
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