山林から木材、木造まで、つまり自然環境であり、生物材料を相手に、これまで疎遠だった工学〝エンジニアリング〟の視座から取り組んでいます。環境情報学部 准教授析した学生もいます。学部生にも査読論文の執筆を勧めており、論文を投稿して採録になり、学会から学生論文賞を受賞した学生、キャンパス内の学会から卒業研究で金賞を頂戴した学生もいます。また審査に通り、ハンガリーで開催された林業技術の国際会議で発表した学部生もいます。発表したその足で学会の方々と、隣国オーストリアで行われた世界最大級の林業技術の展示会にも参加しました。またドイツのサマースクールに研究会の学生を連れて、国内他大学の教員と参加したこともあります。普段から学生たちの話をよく聞き、学生の思いに沿った研究や活動に取り組んでいます。学生と新たな学会に入ったり、彼らが読みたい本を輪読し、皆で議論したり、学生同士でプログラミング言語を教え合ったりしています。半学半教の精神で、学生も教員もお互いに学んでいます。何より研究が大好きな担当教員の後ろ姿を見て、学生に研究の醍醐味と面白さを感じてもらえたらと思っています。白し井い裕ゆ子こらうたき田中克樹塾 AUTUMN 2025NO.328 山林内作業を支援する技術開発については、愛・地球博︵2005年︶に当時の所属先から開発機を出展した頃から始まり、どの研究も息の長いものとなっており、協力者や共同研究者にも恵まれています。写真は高知の山中へ学生を連れて行った演習の様子です。林業の現場は危険で、近年は山林環境自体も急変しており、必ず現地を熟知する技術者と一緒に行動し、教育でも協力を得ています。担当教員は、どのような実験や解析、開発が必要かという、前段の研究も自分で実地へ行って調べるのが研究者としての特徴です。この研究スタイルが教育にもつながり、学生と共にフィールドに出ています。学生には受け身ではなくて、自分でアウトプット︵研究︶するために、インプットしてほしいと思っています。SFCはデータサイエンスにも強く、学生は画像解析やベクトル空間法等を学び、研究に用いたり、また個性的な研究では自然言語処理で林業政策を分な かか つ13研究を通じて、自分の考えを自分に問う 研究会に入った最初の半年は 10 課題を通じて、研究の基礎を学びながら、各自の研究を深めます。思考のトレーニングにもなっており、自分の考えを自分に問い、求める知識を獲得しながら、論理的な捉え方を学び、モノの考え方も変わりました。皆で将来の話もし、研究がだんだん自分事になって、お互いに自分の研究をさらに深め、発表し合うことで、専門知識の幅も広がってきました。また春学期のフィールドワークでは、再建中の木造の三重塔の実物を二層まで上がって見学することができ、その塔を建てている宮大工からお話も聞け、貴重な機会でした。とても楽しい研究会です。ゼミナール・研究室紹介君 環境情報学部3年山林から木材、木造を対象に、エンジニアリングで挑む
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