塾 SUMMER 2025NO.327││高橋さんと野球の出会いについて聞かせてください。高橋 私が生まれ育ったのは千葉市の郊外でした。幼い頃は父や2人の兄たちと一緒に野球をすることが私にとっての数少ない遊びであり、楽しみでした。郊外で広いスペースが必要な野球をする場所だけはあり、高校まで野球をやっていた父が私にとって初めての指導者でした。小学生になって地域の少年野球チームに入ると、すでに打つことも投げることも人並み以上にできたので、すぐに上級生に交ざってレギュラーとして試合に出るようになりました。中学生になっても野球を続けましたが、プロになろうとは考えてもいませんでした。大人に﹁将来何になりたい?﹂と聞かれたら、なんとなく﹁プロ野球選手﹂と答えたことがあったかもしれませんが、全く現実感はありませんでした。私だけでなく親も同じだったと思います。││神奈川県の桐蔭学園高校に進学された理由は。高橋 中学生のときは全国大会で優勝を経験したこともあり、卒業前にいくつか慶應義塾大学野球部の第一印象は「大人」のチーム12野球評論家・解説者【たかはし よしのぶ】1998 年法学部政治学科卒業。野球部では 1 年生からレギュラーを務め、4年生では主将としてチームを9季ぶりのリーグ優勝に導く。卒業後、読売ジャイアンツに入団。1年目より先発起用され、セ・リーグで長嶋茂雄氏以来となる新人打率 3 割をマーク。松井秀喜氏(元 NY ヤンキース)らと共に強力打線を形成し、3年目の 2000 年に日本シリーズ優勝を決めた。2004 年にはアテネ五輪メンバーとして日本の銅メダル獲得にも貢献。2015 年現役引退と同時に読売ジャイアンツ第 18代監督に就任し、3 シーズンの指揮を執る。現在は野球評論家・解説者、読売ジャイアンツ球団特別顧問、読売新聞スポーツアドバイザーを務める。高橋由伸 君スタジアムに足を運んでくれたファンに「感動」を与える全力プレーがプロとしての使命塾員山脈
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