就活生と日々接していると、「大企業に入れば安心」という考えから抜け切れていない学生の多さを痛感する。昭和の時代に就職活動をした保護者に影響されてか「親が喜ぶ大企業に入りたい」であるとか、目先の心配から「初任給の高い会社に入りたい」といった学生も少なくない。また就職活動をまるで受験やゲームのように捉え、就職情報会社やネットの情報に急かされるままに、選考が早く進んだところから進路を決めてしまう学生もいる。日本には約四千社の上場企業が存在するが、「就職人気ランキング」の上位数十社しか見ていないのである。入学や入社はゴールではない。年功序列が崩れ、能力評価が浸透する中、常に自分が持つ能力と向き合っていかなければならない。そこで必要となるのが、社会で役立つ三つの能力である。一つ目は、大学受験で培ってきたような「勉強力」である。幅広い教養を身に付けることは、あふれる偽情報に惑わされないためにも必須である。この「勉強力なら負けない」と思う人は、ぜひ公務員や司法試験、公認会計士といった資格試験の勉強に挑戦してみてほしい。また語学の勉強では、留学生や帰国子女と戦う、あるいは海外へ進学できるような力が求められる。言語能力を伸ばすためには半年以上の留学が必要であろう。さらにこれからの時代、アジアの言語を含めた第二、第三の言語も重要である。二つ目は、大学の専門課程における研究室やゼミの活動で培うような「研究力」である。「勉強」とは誰かが整理した知識を身に付けることであるが、「研究」とはその誰かになることであり、専門分野で人工知能のつく嘘が分かるようになることである。「ひょっとしたら私はこれに秀でているかもしれない」と思う人は、推薦入試などを活用して、まずは修士課程で本格的な研究に挑戦し、さらには博士課程、そして研究者への道も検討してみてほしい。そして三つ目が、組織の中で働くために必要な「人間力」である。俗にいう「コミュ力」も含まれるが、自己主張だけではなく、深い人間関係を構築できる能力が大切である。人の話を聞いたり、異なった考えを持った人の立場を尊重し、怒らずに議論を続けたりすることができる能力である。いつでも辞められるアルバイトではなく、体育会や伝統的なサークル、ボランティア活動などで得られる、少し面倒くさい人間関係を維持・発展させる能力なのである。皆さんはどの能力に秀でていて、学生生活の間に、また就職・進路先で、どれを伸ばすことができるのだろうか。ぜひ考えてみてほしい。・就活の進め方に迷った時・業界・企業の選択に迷った時・自分の強みがわからない時・なかなか内定にたどり着かない時・重複内定で内定辞退を考えた時・就活ハラスメントに遭遇しそうな時・留学を視野に就活を進めたい時卒業前年度になると前半学期~: マンツーマンの就職・後半学期~: OB・OG訪問のためなどが利用できるようになりますなど進路相談(事前予約制)の塾員検索システム7塾 SPRING 2025NO.326 佐さ藤とう 学生総合センター 就職部長 まとこんな時は就職・進路支援担当にご相談ください社会で役立つ三つの能力各キャンパスの担当窓口はこちらその他、大学主催の就職イベント、求人票など就活関連の情報提供は、塾生サイトから確認できます。ぜひ定期的にチェックしてください。塾生サイト>就職・進路(低学年対象のイベントもあります)イベント開催時には、K-Support ニュースでお知らせしますhttps://keio.jp(要keio.jp認証)https://www.students.keio.ac.jp/com/career/service/guidance.html三 田:南校舎地下1階 学生部「就職・進路支援担当」矢 上:25棟1階 学生課学生生活「キャリア支援」SFC(総環):A館1階 学生支援グループ「CDPオフィス」SFC(看護):看護医療学部校舎1階 「看護医療学部事務室」芝共立:芝共立 1号館 学生課3番窓口「就職・進路」 新学期、未来を切り開く! 何を学ぶ? どう過ごす?和や
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