塾_326号_春
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本プロジェクトでは、子どもや家族に関する現象や支援の在り方について、文献検討や体験型学習を通して、探究していきます。看護医療学部 専任講師医療の進歩に伴い、病気と共に成長していく子どもたちが増えています。小児看護学は、病院での療養生活のみならず、子どもたちがその子らしく過ごすために、地域や社会生活におけるさまざまな場で支援に取り組んでいます。私たちの研究室の取り組みに、病気をもちながら学校生活を送る子どもたちの支援があります。その中で注力しているのが﹁学校教員への支援﹂です。近年、学校教員に求められる医療的な対応が増えている一方、研修などのサポートが不足しており、教員が不安を抱えているのが現状です。私たちは特に、てんかんをもつ子どもの対応について、教員向けの研修プログラムの構築に取り組んでいます。プログラムには、これまで多くの先生方がご参加くださり、その反響を通して、取り組みの意義を実感しています。研修の効果について発表した日本小児保健協会学術集会では、若手奨励賞を受賞することもできました。今後も、支援の構築を目指して取り組んでいきたいと考えています。小お澤ざ典の子こわりあべかゆりる安部彩楓富由梨留光琉塾 SPRING 2025NO.326      のような取り組みに参加してもらいながら、さらに学生自身が関心を持ったテーマについて、フィールドワークや文献研究を通じて課題や支援方法を探究していきます。だけでなく、さまざまな専門職が協力し合いながら実践していく必要があります。2024年度には、SFCの環境を生かして、看護医療学部と総合政策学部、環境情報学部との共同プロジェクトを立ち上げ、活動を行いました。さまざまなフィールドに出向き、体験型学習を通して、3学部の学問を融合しながら、支援方法を検討しました。そこから生まれたアイデアは斬新で、私自身も多くの気づきをもらいました。学生たちと共に学びを深める貴重な場となっています。いる方々に対して、学生たちが温かい気持ちで関心を寄せ、真摯に取り組んでいる姿に触れるたび、未来の小児看護学の発展が期待できると実感します。私のプロジェクトでは、学生にもこ地域や社会生活での支援は、医療職子どもたちやそのご家族、支援してあやとよとみふくとめひか25子どもたちから得る学び 小澤プロジェクトでは、病気や障がいをもつ子どもたちへの看護や支援について意見を交わしながら学びを深めています。2024年度は、夏に総合政策学部と環境情報学部との3学部合同で、病気をもつ子どもへの支援方策を検討するプロジェクトに参加し、こどもホスピスやインクルーシブ教育を取り入れている保育園、特別支援学校等の計5施設を訪問しました。他学部の学生とのフィールドワークやディスカッションでは、看護医療学部での日々の学びとはまた違った視点を得ることができました。これらの経験から、卒業プロジェクトでは、障がいをもつ子どもたちへのインクルーシブ教育について着目し、考察を深めました。君 豊君 福ゼミナール・研究室紹介看護医療学部4年君 (執筆当時)「子どもたちがその子らしく過ごす」ことを考える

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