塾_326号_春
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心理学と産業保健を基盤に、健康で活き活きと働くための要因を科学的に明らかにし、実践方法の開発と有効性に関する検証を学際的視点から行っています。総合政策学部 教授わが国では、働く人々を取り巻く社会経済状況が、大きく変化しています。産業構造の変化、情報技術の進歩、少子高齢化、共働き世帯の増加など枚挙にいとまがありません。またコロナ禍を経て、在宅勤務や郊外移住など新しい働き方を模索する動きも始まっています。島津研究室では、3つのHP︵健康増進﹇Health Promotion﹈、生産性の向上﹇Human Performance﹈、幸福﹇HaPpiness﹈︶を目指し、健康で活き活きと働く﹁ワーク・エンゲイジメント﹂をキーワードとしながら、これまでにない斬新な発想をもった研究テーマを設定し、従来の枠を超えた介入手法の開発に挑戦しています。学生が履修する研究会では、各学生が﹁個人研究﹂と﹁小グループ研究﹂に従事しています。個人研究では、﹁働く﹂﹁こころ﹂に関するテーマを自由に設定し、先行研究のレビュー、フィールドでのデータ収集やヒヤリング、データ解析、成果発表までを主体的に行います。小グループ研究では、4~5人でグループを構成し、研究室が所有するデータを活用しながら、解析方法とレポーティングの技術を習得します。研究会所属1期目のメンバーには、研究テーマの育て方、論文の読み方の訓練を別途提供しています。これらの活動は、メンターと呼ばれる特任教員や研究員がサポートしています。個人のパフォーマンスだけでなく、チームのパフォーマンスを最大化するために、どのようにチームに貢献し、チームを組織化し、マネジメントするか、また利己と利他のバランスをどのように調和させるか、を体験的に学びます。こうした経験は、卒業後も生涯を通じて主体的にキャリアを切り開くことに役立つものと確信しています。大学院生や卒業生、社会の第一線で活躍している人たちとの交流も推奨し、研究と実践とのつながりを実感し、キャリア選択に向けた視野の拡大を図っています。島し津ず明あ人ひまきとこ小日造塾 SPRING 2025NO.326      こうした活動を通じて、メンバーは研究会では、学部生同士だけでなく、びなたまさなり24社会的課題解決と自己成長向将 島津明人研究会では、メンタルヘルスの研究と実践について、多角的な視点で捉えながら研究をする環境が整っています。毎週のゼミでは、メンバーの進捗発表や小グループ活動を通じて、研究の進展とスキルの向上を図ります。メンバー間の仲は非常に良く、お互いの進捗発表に対してのアドバイスや意見を言い合って切磋琢磨できる雰囲気があります。また、スキル面での課題がある場合はメンターの先生方から、親身に指導を受けることができます。特に、統計分析の過程で壁に当たることも多いですが、メンバー同士で協力しながら乗り越えることができるため、研究を通じて社会的な意義と自分自身の能力向上に取り組めることが魅力的です。君 環境情報学部4年半学半教「働く×こころ」の学際的検討を目指す

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