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[プレスリリース]
たった一つの遺伝子によりヒト皮膚細胞から血管の人工的作製に成功
-虚血性疾患に対する血管新生療法に期待-

研究医療
2014/12/23  慶應義塾大学医学部

慶應義塾大学医学部微生物学・免疫学教室の森田林平専任講師と吉村昭彦教授らは、久留米大学医
学部心臓・血管内科学の安川秀雄准教授、佐々木健一郎講師との共同研究により、ヒトの皮膚細胞
を血管内皮細胞に転換する遺伝子を同定しました。

血管は、組織細部に酸素や栄養等を運搬し、生命の維持に極めて重要な器官です。生活習慣病等に
よる血管障害に対して、血管内皮細胞の移植は有効な治療法です。今回、本研究グループは血管内
皮細胞の発生に重要な18種類の候補転写因子をヒト皮膚線維芽細胞に導入し、血管内皮細胞に直
接転換させる因子を探索しました。その結果、たった一つの遺伝子ETV2を導入することで、ヒト
皮膚線維芽細胞を機能的な血管内皮細胞に転換できることを見出しました。

これまでにもヒト皮膚線維芽細胞や羊水細胞に複数の転写因子を導入することで血管内皮細胞に転
換できることが報告されてきましたが、本方法は、たった一つの遺伝子を導入することにより血管
内皮細胞を作製できます。よって、高い効率と安全性を保ちながら、血管新生療法への新たな細胞
ソースの開発につながることが期待されます。

また、現在iPS 細胞等を用い、様々な体細胞を分化誘導する研究が盛んであり、既に神経細胞や心
筋細胞等の作製に成功しています。更に肝臓や腸管など立体臓器の再生も試みられていますが、細
胞レベルの再生と異なり、臓器の作成・維持には血管網の付与が必須です。即ち、血管再生は臓器
再生の成功を導く重要な条件の一つと考えられており、本研究結果は、臓器再生のためのより安全
な血管内皮細胞の開発につながるものと期待されます。

本研究成果は、2014年12 月24 日(米国東部時間)に米科学雑誌「アメリカ科学アカデミー紀要」
のオンライン速報版に公開されます。

プレスリリース全文は、以下をご覧ください。

プレスリリース(PDF)

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