ヘッダーの始まり
グローバルナビゲーションの始まり
パンくず式ナビゲーション
左カラムの始まり
メインカラムの始まり

[プレスリリース]
有機薄膜表面電子の光励起寿命をリアルタイムで計測-高効率な太陽電池などの創出に道開く-

研究
2012/03/27  慶應義塾大学
科学技術振興機構(JST)

JST課題達成型基礎研究の一環として、慶應義塾大学理工学部化学科の中嶋 敦 教授らの研究グループは、有機薄膜を塗布した金電極に、光を照射した時に起こる「光誘起電荷分離現象」を、リアルタイムに高精度で観測することに成功しました。
有機薄膜の1つである、アルカンチオールの自己集積化単分子膜(SAM膜)は、今後実用化が期待されるナノクラスター(原子や分子が集合した超微粒子)を用いた光電子デバイスに必須の絶縁中間層材料の代表例として有望視されています。この中間層は、電極とナノクラスターを接着するだけではなく、電極で発生して中間層表面に移動した光励起電子の寿命を長くして、光エネルギーを効率的に取り出すなどの重要な役割を持ちます。この中間層の設計には、中間層の構造を精密に制御する技術と、光励起電子の寿命の計測技術が必要ですが、これまでこうした制御・計測技術の精度が十分でなかったことから、ナノクラスター・デバイスを構築するための信頼できる指針は確立されていませんでした。
今回研究グループは、まず、金単結晶基板の前処理や合成条件の最適化によって秩序構造を精密に制御したSAM膜を作成しました。次に、2光子光電子(2PPE)分光法という方法で、SAM膜の励起電子の寿命を計測しました。実験の結果、光照射によって発生しSAM膜表面に移動した励起電子は、100ピコ秒以上(1ピコ秒は1兆分の1秒)の寿命を持つことが明らかになりました。この寿命は、過去に報告された類似の構造(金属基板上の有機分子膜)よりも、100~1000倍長く、デバイスとしての光学的、電磁気的などのさまざまな機能(例えば、太陽電池の光エネルギーから電気エネルギーへの変換機能)を高効率化する可能性を示しています。また、励起電子の寿命はアルカンチオールの分子鎖の長さを変えることによって、精密に制御できることを明らかにしました。これは、有機合成的手法でデバイスの機能をコントロールできる可能性を示すものです。
本成果は、有機薄膜中の励起電子の挙動を初めて定量的に明らかにしただけではなく、化学的に精密に制御するための方法論の確立に道を開くものです。ナノクラスターを太陽電池や波長変換素子、光センサーなどの新しいデバイスに応用・展開するための基盤となる、極めて重要な技術的指針が得られたことになります。
本研究成果は、米国科学会誌「The Journal of Physical Chemistry Letters」のオンライン速報版で近日中に公開されます。

プレスリリース全文は、以下をご覧ください。

プレスリリース(PDF)

PDFマークがついている頁をご覧いただくには“Adobe Reader“が必要です。
最新版のダウンロードはこちらのウェブサイトよりお願いいたします。
Adobe Readerのダウンロードはこちら外部サイトへのリンク
Adobe Reader

HOME > 報道発表一覧 > 2011年度 > 有機薄膜表面電子の光励起寿命をリアルタイムで計測-高効率な太陽電池などの創出に道開く-

フッターの始まり