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[プレスリリース]
DNA修復を制御する新しい遺伝子を発見
-癌、放射線高感受性遺伝性疾患の治療法開発への手がかり-

医療教育
2010/08/17  慶應義塾大学医学部

慶應義塾大学 若手研究者の自立的研究環境整備促進事業:「細胞と代謝」の基盤研究を担う若手育成(慶應・咸臨丸プロジェクト)の中田慎一郎 医学部特別研究講師らは、産業技術総合研究所 バイオメディシナル情報研究センター 細胞システム制御解析チーム(夏目徹チームリーダー)とカナダ、トロントのSamuel Lunenfeld Research Institute, Mount Sinai Hospital (Dr.Daniel Durocher)との共同研究により、傷ついたDNAを修復するためのしくみである DNA損傷応答を制御する新しい遺伝子として、脱ユビキチン化酵素OTUB1 を発見し、その機能を解明しました。
発癌の原因としてDNA配列の変異が知られています。DNA損傷はDNA変異の主要な原因となります。DNA損傷が起こると、緻密に制御された分子機構(DNA損傷応答)により、細胞は様々な活動を停止した上でDNA損傷を修復し、遺伝子情報を維持します。DNA二本鎖損傷周辺では、ユビキチンという低分子量の蛋白が鎖状につながった「ユビキチン鎖」が形成され、DNA損傷応答を活性化しています。一方、DNA損傷が存在しないときにユビキチン鎖が形成されてしまうと、通常の細胞活動に不利となるため、通常ではユビキチン鎖の形成は抑制されています。しかし、この抑制のメカニズムはこれまで解明されていませんでした。
本研究において、我々は、「脱ユビキチン化酵素OTUB1がDNA損傷依存性におこるユビキチン鎖の形成を抑制的に制御している」ということを発見し、これまでの謎を解明しました。
OTUB1はUBC13というE2ユビキチン結合酵素に結合してユビキチン鎖形成を抑制し、DNA損傷応答の不適切な活性化を防いでいる、と考えられます。OTUB1の発現調節により、DNA損傷応答をより活性化したり、抑制したりできることから、本研究の成果は、DNA損傷応答が減弱している放射線高感受性遺伝性疾患の治療法やDNA損傷応答を利用した新たな癌治療法の開発への手がかりとなることが期待できます。
また、重要な翻訳後修飾である「ユビキチン化」が脱ユビキチン化酵素とE2ユビキチン結合酵素との結合により制御されている、という分子機構の発見は、医学・生物学分野の研究に大きな影響をもたらすと考えられます。
本研究成果は、英国科学雑誌“Nature”2010年8月19日号にArticleとして発表されます。


プレスリリース全文は、以下をご覧ください。

プレスリリース(PDF)

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