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第6回慶應義塾先端科学技術シンポジウム・第4回人間知性研究センターシンポジウム「こころを生み出す神経基盤の解明」開催

 
2010/01/29  慶應義塾

研究推進センターの企画・運営によるシンポジウム「こころを生み出す神経基盤の解明」が、1月26日(火)午後1時から6時15分まで三田キャンパス北館ホールにて開催されました。

本シンポジウムは、慶應義塾の先端科学技術の研究について毎年発表を行っている「慶應義塾先端科学技術シンポジウム」と、理化学研究所との包括的連携に基づき昨年4月に設立した人間知性研究センターが初年度の活動としてシリーズで行ってきたシンポジウムとの共催シンポジウムとして、理化学研究所脳化学総合研究センター、慶應義塾グローバルCOEプログラム「幹細胞医学のための教育研究拠点」、同「論理と感性の先端的教育研究拠点」、ブリヂストン神経発生・再生学寄附講座の共催、文部科学省の後援により開催されました。

シンポジウムでは、脳科学をテーマに、分子脳科学とシステムニューロサイエンス・認知科学、さらには精神疾患や認知症の病態と創薬研究等について、世界の第一線で活躍中の研究者の講演と、最先端の脳科学とその方向性について研究成果の発表が行われました。また、会場内に若手研究者20名のポスターセッションを設け、研究の一端が紹介されました。

プログラムは、座長を認知科学の第一人者である安西祐一郎理工学部教授・前慶應義塾長、コーディネーターを岡野栄之医学部生理学教室教授・医学研究科委員長が務め、気鋭の認知科学者であるJST研究開発戦略センターの福士珠美氏の司会進行により、サテライト会場も使用した満員の参加者を前に、伊藤正男・理化学研究所脳科学総合研究センター特別顧問の特別講演から始まり、ノーベル生理学・医学賞受賞の利根川進・理化学研究所脳科学総合研究センター長の特別講演まで、脳科学の最先端研究について、さらに科学研究者の研究目標やスタイルまで、トップレベルの研究者共通の明確な理念と情熱を実感できる内容になりました。

最初に主催者を代表して清家篤慶應義塾長が開会の挨拶を行い、引き続き、伊藤正男・理化学研究所脳科学総合研究センター特別顧問は特別講演「脳科学におけるミッシングリンク」の中で、脳科学研究のこの50年の進化の過程と、「ミッシングリンクがかなり埋められて、かなり繋がってきたがまだ完全には埋められていない。分子細胞とこころとは必ず繋がっている。その繋がっているところを見つけることが脳科学の最大の使命である」と語り、さらに、科学研究における「仮説の重要性」を述べました。
続いて、山末英典・東京大学医学部附属病院精神神経科准教授が「対人交渉の困難さを生み出す神経基盤と脳の男女差」と題し、自閉症研究における社会性と社会脳や男女差について、杉本八郎・京都大学大学院薬学研究科創薬神経科学講座客員教授が「遥かなる創薬 アルツハイマー病治療薬開発の夢を追って」と題し、エーザイ研究所時代から続くアルツハイマー病の解明と治療薬の開発について、岡野栄之・医学部生理学教室教授・医学研究科委員長が「iPS細胞と遺伝子改変マーモセットを用いた精神・神経疾患研究の展開」と題し、多岐に渡るiPS細胞研究の展開と、遺伝子改変マーモセット技術を用いたこころを生み出す神経基盤の解明の遺伝学的解析の戦略的展開について、最先端・最新の研究成果を発表しました。
松沢哲郎・京都大学霊長類研究所思考言語分野教授は、「こころの進化-人間とチンパンジーの比較から-」と題し、チンパンジーの「アイとアユム」を中心とした「アイ・プロジェクト」の研究成果をもとに、「人間とは何か」について、比較認知科学の立場から講演を行いました。最後に、利根川進・理化学研究所脳科学総合研究センター長が、特別講演「Mechanisms for Hippocampal Memory (海馬の記憶機構)」を行い、遺伝子改変マウスを用いた記憶のメカニズムの解析を中心とした脳科学における多くの研究成果が発表され、「脳科学はまさに人間科学である。脳科学が対象とするテーマは、人文科学、社会科学にも及び、いずれは、脳科学はすべての学問分野を統合する学問に発展していくだろう」と語り、また、「研究における仮説の大切さ」について述べました。閉会にあたり、渡辺茂・人間知性研究センター所長・文学部教授が「こころの解明は、神経基盤と進化の解明の二つである」と述べ、シンポジウムを締めくくりました。

当日は、研究者だけではなく企業、大学、研究機関、官公庁の関係者など参加者は300人を超え、フロアからの質疑応答も活発になされ、大盛況のシンポジウムとなりました。

脳は、莫大な数の細胞そして様々な種類の細胞から成る大変に複雑なシステムであり、複雑さや働きの不思議さから、長い間、私たちに謎を投げかけてきましたが、近年、先端の研究成果が発表されています。慶應義塾大学としても、このシンポジウムの成功を活かし、脳科学に関するさまざまな研究を活性化していくとともに、世界の研究のさきがけとなる新たな取り組みにも挑戦していきます。
座長挨拶:安西理工学部教授
▲座長挨拶:安西理工学部教授
特別講演:伊藤理化学研究所脳科学総合研究センター特別顧問
▲特別講演:伊藤理化学研究所脳科学総合研究センター特別顧問

講演:岡野医学部生理学教室教授・医学研究科委員長
▲講演:岡野医学部生理学教室教授・医学研究科委員長
特別講演:利根川理化学研究所脳科学総合研究センター長
▲特別講演:利根川理化学研究所脳科学総合研究センター長

質疑応答の様子
▲質疑応答の様子
ポスターセッションの様子
▲ポスターセッションの様子

撮影:井上 悟
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