メインカラムの始まり
[半学半教] 芸術の力について、ともに考える(文学部准教授 後藤文子)
2012/07/12 「塾」2012年SUMMER(No.275)掲載
※職名等は掲載時のものです。
開講からようやく4年目を迎えた近代美術史の研究会です。多彩な関心をもった3年生20名と4年生17名が在籍し、芸術について共に考え、研究に取り組んでいます。
開講からようやく4年目を迎えた近代美術史の研究会です。多彩な関心をもった3年生20名と4年生17名が在籍し、芸術について共に考え、研究に取り組んでいます。
後藤 文子(ごとう ふみこ)文学部美学美術史学専攻准教授
芸術と向き合い、芸術について深く思考し、そして芸術をこの身をかけて受け止めようと努めることは、実は生きるという根源的な営みと分かちがたく結び合っている——私が強くそう実感するようになったのは20代のことでした。そしていまもかわらず、私にとっての研究の根底には、これが信念のように横たわっています。
私たちが研究対象としている芸術作品は、れっきとした「物」ですから、本来は物言わぬ「物」と向き合うことは沈黙した時間のなかでの孤独な取り組みにちがいありません。しかしながら芸術が芸術たり得る所以として、それが本来的かつ本質的に備えている公共性という特性は、私たちを決してそのような孤独な時間のなかにだけ押しとどめはしません。むしろそれは私たちを、開かれた批評性のもとで、ほかでもない「人」とともに作品を観て、共感しあい、意見を交わしあう、そのような感性的な体験へと誘うのです。作品を観る眼、感じとる心、分析する思考、そして身体的な感覚をも、作品を介して場と時を共有する人々と互いに交わらせ、作品体験を共にすることによって、私たちは、自分一人による孤独な取り組みのなかだけでは見えてこなかった芸術のもつ本質的な力に気づかされるのです。その意味において、研究会は、まさしく芸術を広く共有する場であると言えるでしょう。
美術館ではなく、画廊でもなく、ほかでもない教室で行われる研究会にとって、無論、参加者による作品体験の共有は難題です。しかしたとえ作品を眼の前にしていなくとも、本来芸術が、私たち一人一人の心身の働きをフルに発動させて向き合うべき対象であること、そしてこの先もずっと長く、自分たちに生きることを見つめさせてくれる特別な力を秘めていることを、想像力をたくましくし、常に学生とともに考え、気づき合うことをあきらめない。そのための試行錯誤が今日も続いています。
私たちが研究対象としている芸術作品は、れっきとした「物」ですから、本来は物言わぬ「物」と向き合うことは沈黙した時間のなかでの孤独な取り組みにちがいありません。しかしながら芸術が芸術たり得る所以として、それが本来的かつ本質的に備えている公共性という特性は、私たちを決してそのような孤独な時間のなかにだけ押しとどめはしません。むしろそれは私たちを、開かれた批評性のもとで、ほかでもない「人」とともに作品を観て、共感しあい、意見を交わしあう、そのような感性的な体験へと誘うのです。作品を観る眼、感じとる心、分析する思考、そして身体的な感覚をも、作品を介して場と時を共有する人々と互いに交わらせ、作品体験を共にすることによって、私たちは、自分一人による孤独な取り組みのなかだけでは見えてこなかった芸術のもつ本質的な力に気づかされるのです。その意味において、研究会は、まさしく芸術を広く共有する場であると言えるでしょう。
美術館ではなく、画廊でもなく、ほかでもない教室で行われる研究会にとって、無論、参加者による作品体験の共有は難題です。しかしたとえ作品を眼の前にしていなくとも、本来芸術が、私たち一人一人の心身の働きをフルに発動させて向き合うべき対象であること、そしてこの先もずっと長く、自分たちに生きることを見つめさせてくれる特別な力を秘めていることを、想像力をたくましくし、常に学生とともに考え、気づき合うことをあきらめない。そのための試行錯誤が今日も続いています。
こんにちは、後藤文子ゼミです
永易 里美(ながやす さとみ)君
文学部美学美術史学専攻4年
文学部美学美術史学専攻4年
当研究会メンバーの関心はオーソドックスな近代美術史研究以外にも多岐にわたっており、モネやマネ、ゴッホといった誰もが知る画家についての研究から、写真、デザイン、ファッションといった領域にまで裾野を広げ、各自の課題に日々取り組んでいます。
例年前期は先生の提案で3・4年生の共同研究がなされており、今年は特に、私たちが生きるなかで体験する身近な感覚と近接するものとしての芸術・アート、と いう視点で研究を始めました。後藤先生の持つ柔らかな雰囲気で研究会はとても居心地の良い場所となっていて、頭を柔らかくして一人一人が刺激し合うのに最適な環境が整っています。
例年前期は先生の提案で3・4年生の共同研究がなされており、今年は特に、私たちが生きるなかで体験する身近な感覚と近接するものとしての芸術・アート、と いう視点で研究を始めました。後藤先生の持つ柔らかな雰囲気で研究会はとても居心地の良い場所となっていて、頭を柔らかくして一人一人が刺激し合うのに最適な環境が整っています。
























