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[半学半教] 電子の創発的な舞台を設計し、創発機能を発現させる(理工学部教授 的場正憲)
2012/05/15 「塾」2012年SPRING(No.274)掲載
※職名等は掲載時のものです。
従来理論の予想をはるかに超える創発機能(高温超伝導、高効率熱電エネルギー変換)が発現する物質をデザインし、エネルギー問題の解決を目指します。
従来理論の予想をはるかに超える創発機能(高温超伝導、高効率熱電エネルギー変換)が発現する物質をデザインし、エネルギー問題の解決を目指します。
的場 正憲(まとば まさのり)理工学部物理情報工学科教授
創発とは、個々が互いに相互作用をしあい、複雑に組織化することで、個々の要素の振る舞いからは予測できないような性質が全体として現れることです。例えば、高い知性をもたないアリが、群れとしては創発的な共同作業(巣作り、仲間の墓作り、ゴミ捨て場作り)をすることが知られています。群れることは、決して悪いことではなく、創発的な場の形成につながるのです。相互作用が強そうな「ちょいワルおやじ」的な学生集団や電子集団でも、予想をはるかに超えた特性が創発的に発現すると期待しています。教育(人材育成)でも、物質探索・設計(電子の舞台設計)でも、創発は重要なキーワードだと思います。
電子は負の電荷をもった粒子であるため、電子間には互いにクーロン反発力が働きます。しかしながら、通常の金属や半導体といった固体中ではこのようなクーロン反発力は比較的小さく、電荷を運ぶキャリアは空間的に広がった波として表すことができます。従来の半導体エレクトロニクスでは、このような互いに独立した波が運ぶ電流を制御して、さまざまな機能を発現させています。
一方、クーロン反発力が大きく無視できない場合に、電子が各サイトにほぼ一個いるような状況下では電子はほとんど動けなくなります。しかし、うまく電子の抜け穴(正孔)を作ってやると、多くの電子が互いに強く相関をもって動けるような「悪い金属(=Bad metal)」的な状況が生まれます。従来理論の予想をはるかに超えた高温超伝導という現象もこのような状況下で発現しています。このような「悪い金属」中の環境は、電子にとって創発的な(予期せぬ新しい性質が発現するような)環境であると考えられます。言い換えれば、「悪い金属」には、電子が創発的に活躍できるような舞台があるのです。このような活躍を、お勉強ができる「真面目な学生」たちではなく、「ちょいワル学生」たちに期待しています。
研究紹介動画:http://www.youtube.com/watch?v=kMsaLiGCdOc
電子は負の電荷をもった粒子であるため、電子間には互いにクーロン反発力が働きます。しかしながら、通常の金属や半導体といった固体中ではこのようなクーロン反発力は比較的小さく、電荷を運ぶキャリアは空間的に広がった波として表すことができます。従来の半導体エレクトロニクスでは、このような互いに独立した波が運ぶ電流を制御して、さまざまな機能を発現させています。
一方、クーロン反発力が大きく無視できない場合に、電子が各サイトにほぼ一個いるような状況下では電子はほとんど動けなくなります。しかし、うまく電子の抜け穴(正孔)を作ってやると、多くの電子が互いに強く相関をもって動けるような「悪い金属(=Bad metal)」的な状況が生まれます。従来理論の予想をはるかに超えた高温超伝導という現象もこのような状況下で発現しています。このような「悪い金属」中の環境は、電子にとって創発的な(予期せぬ新しい性質が発現するような)環境であると考えられます。言い換えれば、「悪い金属」には、電子が創発的に活躍できるような舞台があるのです。このような活躍を、お勉強ができる「真面目な学生」たちではなく、「ちょいワル学生」たちに期待しています。
研究紹介動画:http://www.youtube.com/watch?v=kMsaLiGCdOc
素敵な創発機能デザイナーになりたい!
棚木 麻衣(たなき まい)君
理工学研究科修士課程1年
理工学研究科修士課程1年
Dr.マトー研究所(的場研)の勉強会で、電子の世界にも、雑誌『LEON』に登場するような、ワイルドでたくましいパンツェッタ・ジローラモ氏のような「ちょいワルおやじ」的な電子が存在することを知りました。このような「ちょいワルおやじ」的な電子集団の舞台では、その個性が互いにぶつかり合うことで、世間の予想をはるかに超えたすてきな「創発的ダンス」が披露される可能性があります。私たちは、「ちょいワル金属」における創発的舞台上で、ワクワクする(従来理論の予想をはるかに超えた)パフォーマンスを披露できるような舞台プロデューサー(創発機能デザイナー)になりたいと思います。
























