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[半学半教] 天然資源を人の健康に役立てるために(薬学部教授 木内文之)

2012/03/26 「塾」2012年WINTER(No.273)掲載
※職名等は掲載当時のものです。

天然医薬資源学講座では、薬学の中でも最も古い研究領域の一つである「天然から得られる薬に関する研究」を、さまざまな角度から行っています。

木内 文之(きうち ふみゆき)薬学部教授

研究会の皆さん
現在、薬といえば純粋な化合物を使うのが普通になっていますが、約200年前までは「くすり」はすべて自然の中から得られる素材でした。その後「くすりの精」を取り出そうという試みが19世紀に始まり、有機合成化学の発達とも相まって、モルヒネをはじめとする数々の医薬品が生み出されてきましたが、自然界にはまだまだ新しい薬の種が眠っており、この種を見つけ出すのはとても魅力的な課題です。一方、現在の日本の医療の中に定着している漢方で用いられる薬(漢方処方=生薬の組み合わせ)には、今でも動植物などの自然から得られる生薬が利用されています。生薬は天産品ですから品質にばらつきがあり、これを薬として安心して使うためには品質の確保が欠かせませんが、そのためにはどうして有効なのかのエビデンス(科学的な裏付け)が必要です。

私たちの研究室では、「天然物を人の健康に役立てる」ことを大きな目標に、「天然薬物中の薬効成分の探索」、「漢方薬の有効性の科学的裏付けの構築」、「寄生虫などが持っている糖鎖の合成とその機能」に関する研究に取り組んでいます。私たちの研究は、化合物に基盤を置いていますが、実験に用いる手法はさまざまです。この領域は「使えるものは何でも使う」という伝統(?)の下で、新しい手法を常に取り込みつつ発展していますが、学生諸君には「やってみなけりゃ分からない」を基本理念(?)に、実験から得られた結果を大切にし、それを自分なりに理解して論理を組み立て、新しい発見に結びつけていってほしいと思います。「薬学」は文字通り「草(=自然)を楽しむ学問」でもあると思います。実験と学生諸君とのディスカッションを通して、自然の中にあるさまざまな化合物とのふれあいを楽しんでいきたいと思っています。

自然の中の薬

靜間 悠志(しずま ひさし)
薬学部薬科学科4年
当研究室では、生薬の持つ成分の研究、天然物由来の糖鎖の合成のふたつを軸に研究を行っています。生薬成分の研究は、生薬に含まれる成分の分子構造や生物に対する活性を調べる研究です。この研究でもし生物活性のある物質が見つかれば、医薬品の開発に利用できるかもしれませんし、なぜ生薬が効くのかを成分レベルで知ることができます。糖鎖の合成では、主に寄生虫の持つ糖脂質や糖タンパク質の糖鎖の合成を試みています。こちらは合成した糖鎖の寄生虫の診断薬などへの応用を目的としています。のんびりした空気の研究室ですが、一人ひとりが自分のテーマと真剣に向き合い、先生や先輩から知識や技術を学びながら研究を行っています。
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