メインカラムの始まり
[半学半教] 時代と思想の狭間で─近代の思想的営みに現代の系譜と意味を問う─(文学部教授 神田順司)
2011/07/25 「塾」2011年SUMMER(No.271)掲載
※職名等は掲載当時のものです。
ドイツ思想史と歴史理論の探究をめざす研究会
ドイツ思想史と歴史理論の探究をめざす研究会
神田 順司(かんだ じゅんじ)文学部教授
ポスト・モダンなどという流行思想にもかかわらず、われわれは今なお近代の延長線上にいる。ヨーロッパ近代はその激動の歴史の中で、自由主義、ナショナリズム、社会主義など様々な思想を生んだ。それらは変容を遂げながら、なおもわれわれの社会や政治の在り方を、そして思考や行動を規定している。そのような近代の思想潮流をその生成の歴史に照らして理解するのが西欧近代思想史という学問である。
西欧近代思想史の中でも、特にドイツの思想史を中心とする本研究会では、これまでフランス革命期のドイツの政治思想、ユダヤ人問題、初期社会主義などのテーマを取り上げ、それらを同時代の社会や政治との関係において考察してきた。そうした主題の考察を経て、ここ数年はマルクスの思想を扱っている。
かつてマルクス主義は歴史を動かす思想であった。それはわが国においても政治や労働運動そして学生運動などに強い影響力を及ぼした。そのマルクス主義が、社会主義の崩壊以降急速に衰退し、忘れ去られようとしている。マルクス主義を国是とするソ連や東独などの社会主義体制は何故挫折したのか。その権威主義的強権支配はマルクス主義からの逸脱なのか、それともマルクス思想の現実の姿だったのか。他方、競争の激化と弱者切り捨てによって延命を図る新自由主義もその限界を露呈している。われわれは未来に向けてどのような対抗軸を形成しうるのか。こうした問題意識から本研究会では「マルクス主義とは何であったか」を問うている。
マルクスの思想を歴史の中に位置づけるこのような思想史研究の具体例を通して、学生諸君には理論的能力と歴史的発想を身につけて頂きたいと思っている。学生数は14名、研究会の共通テーマに取り組みつつ、それぞれが卒論作成に向けて独自の個別テーマを追究している。
西欧近代思想史の中でも、特にドイツの思想史を中心とする本研究会では、これまでフランス革命期のドイツの政治思想、ユダヤ人問題、初期社会主義などのテーマを取り上げ、それらを同時代の社会や政治との関係において考察してきた。そうした主題の考察を経て、ここ数年はマルクスの思想を扱っている。
かつてマルクス主義は歴史を動かす思想であった。それはわが国においても政治や労働運動そして学生運動などに強い影響力を及ぼした。そのマルクス主義が、社会主義の崩壊以降急速に衰退し、忘れ去られようとしている。マルクス主義を国是とするソ連や東独などの社会主義体制は何故挫折したのか。その権威主義的強権支配はマルクス主義からの逸脱なのか、それともマルクス思想の現実の姿だったのか。他方、競争の激化と弱者切り捨てによって延命を図る新自由主義もその限界を露呈している。われわれは未来に向けてどのような対抗軸を形成しうるのか。こうした問題意識から本研究会では「マルクス主義とは何であったか」を問うている。
マルクスの思想を歴史の中に位置づけるこのような思想史研究の具体例を通して、学生諸君には理論的能力と歴史的発想を身につけて頂きたいと思っている。学生数は14名、研究会の共通テーマに取り組みつつ、それぞれが卒論作成に向けて独自の個別テーマを追究している。
過去を訪ね、現在のこれからを問う
谷藤 麻衣子(たにふじ まいこ)
文学部4年
文学部4年
マルクス思想をはじめとするドイツの思想史に関する英文講読を軸としながらも、現代社会の諸問題についても考察や研究を行っています。例えば夏合宿では日米安保条約や日本の戦争責任などをテーマに学生同士が議論を交わします。卒業論文では、神田先生の研究分野である思想史やドイツ史はもちろん、アメリカ史や日本の近現代史を取り上げる学生もいます。一見多岐にわたるゼミのようですが、歴史学の意味と重要性を再確認し、そのうえで特定の地域や時代を絞ることによって社会全体の構造を掴むことができます。これらの研究の重なり合いから、今ある社会の問題に対しての一つの視座を得ることができるゼミだと感じています。
























