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[半学半教] 生命の「活き活き」とした挙動を化学する(理工学部教授 朝倉浩一)

2011/05/30 「塾」2011年SPRING(No.270)掲載
※職名等は掲載当時のものです。

バイオリズムのような活き活きとした生命現象が発生するメカニズムを化学で解析し、
その知見に基づいて新しい産業技術を開発します(大学院生8名、学部生4名)。

朝倉 浩一(あさくら こういち) 理工学部教授

研究会の皆さん
身の回りには、一見易しそうで実は難しいことが多々あります。例えば「平らな表面を作製する」なんて誰でも簡単にできそうですが、棚やドアの塗装面を横から目をこらして見ると、数㎜周期の凹凸構造が観察できます。これはオレンジピール(ゆず肌)と呼ばれ、塗装面の乾燥過程で自発的に発生する構造です。また、アルミサッシを近くで見ると約0.1㎜周期のストライプ模様が観察できます。これは、アルミ加工の際に自発的に発生する構造です。

これらの構造発生は、高級車の塗装、DVDやBlu-ray Discの生産、フォトレジストの塗工などにおいて大きな問題となりますが、それを防ぐための技術開発のヒントとなるのが、意外にも、生命体に発生するバイオリズムです。バイオリズムには、心拍や睡眠─覚醒のような時間周期構造と、トラや熱帯魚の体表模様のような空間周期構造があり、これら「活き活き」とした現象は、決して「生命は神が創り賜うた特別なもの」であるから発生するのではありません。1977年のノーベル化学賞の対象となった「散逸構造」という概念に基づくと、バイオリズム発生のメカニズムを説明でき、化学反応によって時空間リズムを創り出せます。そして、生産プロセスにおいて問題となる構造発生も抑制できるようになります。

私たちの研究室では、「生命の不思議」を不思議のまま放置せず、その謎を化学で解き明かし、得られた知見に基づき新しい産業技術を開発しています。また、その研究を通して学生たちが「散逸構造」の概念を学び、研究者、技術者として社会へ巣立っていきます。なお、卒業生たちの研究室との付き合いは、共同研究、技術情報の交換、リクルート活動などを通じて一生続きます。この交流は、塾員、塾生、教員が学び教え合う「半学半教」精神の具現化と言えます。

HP : http://www.applc.keio.ac.jp/~asakura/外部サイトへのリンク
YouTube : http://www.youtube.com/user/keiouniversity#p/c/11/2zmijRsnsbg外部サイトへのリンク

キーワードは「自己組織化」

高山 駿介(たかやま しゅんすけ)
理工学研究科修士課程1年
朝倉研究室では、「自己組織化」という現象を軸に、さまざまなテーマでの研究が行われています。研究室の名前は「有機」物質化学研究室ですが、有機化学だけでなく、サンスクリーン剤(日焼け止め)の性能評価を研究テーマとする人もいれば、化学反応速度の解析をテーマとする人もいます。このため、毎週行われる「週例」や年4回行われる中間発表会では、自分の研究テーマだけでなく他のさまざまなテーマに関する見識を得ることができます。
また、勉強会や輪講では、英語で書かれた教科書を読み、すべてのテーマの基礎になる概念について学びます。教授から直接教えていただくだけでなく、学生同士でも教え合うことで、互いに高めあい、研究を進めています。
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