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[半学半教] ブラックボックスから玉手箱へ(薬学部教授 田村悦臣)

2011/04/04 「塾」2011年WINTER(No.269)掲載
※職名等は掲載当時のものです。

衛生化学講座。卒論生は薬科学科4年生3名、薬学科5年生8名が在籍。来年度は薬学科6年生までそろい、
大学院生(現在5名が在籍)と合わせて大所帯になるが、研究室のスペースは変わらないのが目下、悩みの種。

田村 悦臣(たむら ひろおみ) 薬学部教授

研究会の皆さん
衛生化学講座では薬物代謝の組織特異性に焦点を当てて研究を進めています。最近、iPS細胞などのように、細胞の様々な組織への分化誘導に関する研究が世間を賑わせていますが、私の研究室では、出来上がった組織がどのような性質を持っているのかを分子生物学的手法で明らかにしようとしています。各組織を構成する細胞は、例えるなら、「ブラックボックス」です。細胞の中でなにが起きているかは、なかなか外からは見えませんが、押すか引くかたたくか、なにか刺激を与えると、返事をしてくれます。その返事から、なにを読み取るか、研究者の聞き手としての能力が試されます。

研究室では、様々な食品成分と細胞とのクロストーク(対話)に耳を傾けています。「食」は、その人の生活習慣と密接な関係にあり、一人ひとりの体の特徴(体質)を形作っている大きな要素と言っていいでしょう。そのような体にとって大切な「食」と細胞の代謝の関係を調べたいというのが、最近の私の研究の興味の中心です。

毎年「食」に興味を持った学生が、研究室の門をたたいてくれます。実際の研究は、毎日同じことの繰り返しであることも多い上に、予想通りのデータが出ないことも多いのですが、虚心坦懐に、じっと耳を傾けていれば、いつかは細胞の語る言葉が聞こえてくるものです。その時、「ブラックボックス」が「玉手箱」に変わります。その驚き、喜びが研究の醍醐味ですが、それを少しでも学生に味わってもらいたいと願っています。

卒業生の多くが、薬剤師として社会に飛び立ち、医療の現場で、様々な人々の声に耳を傾けることになると思いますが、そうした時に、研究を通して培った細胞の言葉を聞く力が活かされるのではないかと期待しながら、日々教育・研究を行っています。

食との関わりを考える

鯉渕 芙由子(こいぶち ふゆこ)
薬学部4年
当研究室では、食品成分が薬物代謝酵素に与える影響について、ヒト由来の細胞を用いて解析しています。私は赤ワインに含まれる抗酸化成分のレスベラトロールの影響について研究を行っていますが、コーヒー、ビタミン類、乳酸菌など、人によってテーマは様々です。食品と薬の相互作用に興味を持っていたことや、普段口にする食品がテーマだということもあり、楽しみながら実験を行っています。

細胞相手の実験なので、自分の思い通りに進まないことや、失敗することも多いですが、先生方や先輩たちに色々と教えてもらいながら日々実験に励んでいます。これからどんどん知識を吸収して成長していきたいと思っています。
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