ヘッダーの始まり
グローバルナビゲーションの始まり
パンくず式ナビゲーション
左カラムの始まり
ローカルメニューの始まり
メインカラムの始まり

[半学半教] 国際的な民事紛争の解決に向けて(法学部教授 北澤 安紀)

2010/05/10 「塾」2010年SPRING(No.266)掲載
※職名等は掲載当時のものです。

国境を越えて生じる個人や企業間の民事紛争の解決基準について定める「国際私法」を研究しています。
2010年度で、12期目に入りました。

北澤 安紀(きたざわ あき) 法学部教授

研究会の皆さん
近年われわれの生活環境は急速に国際化し、それに伴い国際的な法律問題が多発するようになっています。わが国の企業の多くは何らかの形で国際取引に関わっていますし、国際結婚や離婚ももはや珍しいことではなくなりました。また、昨今の技術革新は、国際的な電子商取引、製造物責任、知的財産権の保護という新たな問題をもたらしています。国際私法とは、こういった個人や企業との間で生じる国際的な民事紛争の解決基準について定めている法分野です。
 
国際的な民事紛争の解決には、国内的な場合とは異なる特徴があります。そこでは、紛争解決の基準として日本の法律だけでなく、外国法が用いられることがありますし、紛争解決の手続についても国内事件とは異なる考慮が必要となります。一般的に、国際的な民事紛争の実体的解決基準の問題を扱うのが国際私法で、国際的な民事紛争の解決手続を扱うのが国際民事手続法と呼ばれますが、この研究会では、広く、両者の問題を研究対象としています。

研究会では、国際私法に関する知識の習得はもちろんのこと法的思考能力や問題発見・問題解決能力を持った人材の育成を目標に掲げ、毎回のゼミを行っています。国際私法と聞くと、英語を用いて法的な議論をする法分野というイメージを持たれがちですが、国際的な民事紛争を解決するためには、語学の習得はもちろんのこと、まずは母国語での法的な思考能力の育成、そして、それを相手に正確に伝達・表現する能力の育成が必要となります。

研究会の3年次には、筆者が出す事例問題について、ゼミ生が対立する意見を持った2つのグループに分かれ、それぞれの立場から意見を戦わせます。従来の学者の見解を支持しながら、人を説得する技術を少しでも磨こうと努力する者、時として問題点に別の角度から光を当て、新たな論点を発見する者や従来の学説の理論的難点を克服しようと、同一の結論を導くための独自の見解を一生懸命考えてくる者等、色々なタイプの学生がいます。情熱を持って主体的にゼミに関わろうとする学生達のおかげで、毎回実りの多い機会を得ることができています。4年次には、1年間かけて各人が卒業研究をまとめるという形で研究会を運営しています。

卒業生の進路も、法曹界から民間企業への就職、大学院進学と多種多様ですが、2年間の研究会活動を通じて養われた能力や仲間との絆は一生の財産になると考えています。

(ゼミURL: http://www.clb.law.mita.keio.ac.jp/kitzsemi/Welcome.html外部サイトへのリンク

教員のプロフィール

1991年慶應義塾大学法学部卒業。1996年一橋大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。慶應義塾大学法学部専任講師、助教授を経て2005年より現職。その間、法務省民事局総務課調査員、フランスパリ第一大学国際私法関係研究所(CERPI)研究員を務める。専門は、国際私法。本塾法務研究科でも教鞭を執る。

古くて新しい法律学のエッセンス

中島 渉(なかじま わたる)
法学部4年
国際私法は古い分野でありながら今日さらにその重要性が高まっている分野で、明治の法律起草者の哲学から渉外法律実務の最新イシューまで、幅広い視野を持って問題に取り組んでいます。

毎週のゼミは15分厳守の中で事案を解決するための様々な情報を簡潔に伝えることを要求される緊張感あるレポートと、それに続くディベートからなり、これらにはテクニックやツールに頼らず法律家としての、また国際的なバランス感覚を持って論理的に自説を主張するという、いわば法律学のエッセンスが詰まっています。

より濃密な充実した議論をするため、事前にゼミ生は判例、論文の山を消化し、サブゼミで主体的に余念のない準備をします。日々法律の奥深さに接し、ゼミナールの名にふさわしい知的刺激を受けることができるエキサイティングなゼミです。
HOME > 慶應義塾を知る・楽しむ > 半学半教 > バックナンバー2010年 > 国際的な民事紛争の解決に向けて(法学部教授 北澤 安紀)

フッターの始まり