メインカラムの始まり
[半学半教] 多様なアプローチから在宅療養の課題をさぐる(看護医療学部教授 原 礼子)
2010/03/24 「塾」2010年WINTER(No.265)掲載
※職名等は掲載当時のものです。
共通するのは地域社会の中で療養する患者やその家族の支援のあり方について考えること。
各自設定したテーマで問題意識を深めて論文を作成する。
共通するのは地域社会の中で療養する患者やその家族の支援のあり方について考えること。
各自設定したテーマで問題意識を深めて論文を作成する。
原 礼子(はら れいこ) 看護医療学部教授
現在、医療制度や公的介護保険制度がめざす方向は在宅療養継続に向いています。患者の急性期の治療にある程度めどがたつと早期に退院が促され、自宅での療養に移行していく場合が増えています。自宅での看取りも患者本人や家族が望む場合もあれば、そうでない場合もありますが、このような自宅での療養を続ける患者や家族を支えるのが訪問看護です。看護サービスは地域医療を支える大きな柱になっているのです。
訪問看護の多くは訪問看護ステーションから提供されますが、病院と自宅との橋渡しがスムーズにいかないと患者や家族は混乱してしまいます。この橋渡しがスムーズに行われるように病院でのきめ細かな退院調整が必要となります。患者、家族の意向をきちんと受け止め自宅での療養課題を明確にして、医療サービスの提供だけでなく、その他の社会サービスとも連携して在宅療養が継続されるように準備を進めなくてはなりません。
看護医療学部はゼミがなく、4年生のみのプロジェクトとなっています。在宅看護学、家族看護学に関心のある学生が集まった今年のプロジェクトでは、在宅療養継続のためのカギを握る家族に焦点をあてています。家族メンバーの世話をするという家族機能が、わが国ではどのように変化してきているのかにアプローチする学生、患者の家を訪問して、介護している家族から直接介護実態の声を聞く学生、すでに患者を看取った家族から大切な家族の一員を喪(うしな)った悲嘆に耳を傾ける学生、病院での退院調整のために、病院の看護師が在宅での生活状況をどの程度イメージできているのか明らかにしようとする学生たちがいます。病院実習で患者本人の看護をすでに体験済みの4年生が病院内では知り得なかったもう一人の在宅療養の当事者にせまり、現在の地域医療が抱える課題に取り組んでいます。
訪問看護の多くは訪問看護ステーションから提供されますが、病院と自宅との橋渡しがスムーズにいかないと患者や家族は混乱してしまいます。この橋渡しがスムーズに行われるように病院でのきめ細かな退院調整が必要となります。患者、家族の意向をきちんと受け止め自宅での療養課題を明確にして、医療サービスの提供だけでなく、その他の社会サービスとも連携して在宅療養が継続されるように準備を進めなくてはなりません。
看護医療学部はゼミがなく、4年生のみのプロジェクトとなっています。在宅看護学、家族看護学に関心のある学生が集まった今年のプロジェクトでは、在宅療養継続のためのカギを握る家族に焦点をあてています。家族メンバーの世話をするという家族機能が、わが国ではどのように変化してきているのかにアプローチする学生、患者の家を訪問して、介護している家族から直接介護実態の声を聞く学生、すでに患者を看取った家族から大切な家族の一員を喪(うしな)った悲嘆に耳を傾ける学生、病院での退院調整のために、病院の看護師が在宅での生活状況をどの程度イメージできているのか明らかにしようとする学生たちがいます。病院実習で患者本人の看護をすでに体験済みの4年生が病院内では知り得なかったもう一人の在宅療養の当事者にせまり、現在の地域医療が抱える課題に取り組んでいます。
教員のプロフィール
慶應義塾大学看護医療学部教授、健康マネジメント研究科委員。1981年東洋大学社会学研究科修士課程修了。日本赤十字看護大学助教授、福島県立医科大学教授を経て2002年より現職。専門は看護学(家族・在宅・地域看護学)。
在宅療養者と家族を支える看護
倉島 悠子(くらしま ゆうこ)
看護医療学部4年
看護医療学部4年
春学期に文献検討を行い、その中で関心を持ったテーマについて各自取り組んでいます。テーマについては、病院から在宅へ継続した看護を提供するための連携について看護師に焦点を当てたもの、在宅介護者の生活犠牲感や末期がん患者を在宅で看取る配偶者へのケアといった家族に焦点を当てたものもあります。また看護だけでなく社会学的な視点も取り入れ、高齢者虐待の問題に取り組んでいる学生もいます。
プロジェクトで集まった際には進捗状況を報告し意見交換します。これは、自分にない視点や関連するテーマの情報を得られるよい機会となっています。研究のほかにも先生方の臨床経験をうかがったり、時にはお茶やお菓子を片手に和気あいあいとおしゃべりすることも。
看護職は病院だけで働いているわけではありません。これを機に、在宅療養者を支える看護職の存在を知ってもらえたらと思います。
プロジェクトで集まった際には進捗状況を報告し意見交換します。これは、自分にない視点や関連するテーマの情報を得られるよい機会となっています。研究のほかにも先生方の臨床経験をうかがったり、時にはお茶やお菓子を片手に和気あいあいとおしゃべりすることも。
看護職は病院だけで働いているわけではありません。これを機に、在宅療養者を支える看護職の存在を知ってもらえたらと思います。
























