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[半学半教] 歴史を見つめ今を生きる(法学部教授 田所昌幸)

2009/11/16 「塾」2009年AUTUMN(No.264)掲載
※職名等は掲載当時のものです。

—歴史を重視しながら多様で変化の激しい国際政治の諸相を、自分の言葉で語り合う—
学生自身の自主性を重んじる。3年生は導入として国際政治史と古典を学び、4年生は共通テーマの下で各自の問題意識に沿った卒業論文を作成する。

田所 昌幸(たどころ まさゆき) 法学部教授

研究会の皆さん
国際政治は、英語の飛び交うような華やかなイメージがあります。実際、国際社会では、日常我々が生活している国内での社会生活とは異なった行動様式やスタイルがあり、だからこそ外交といった特殊な技能が発達してきました。

しかしながら、この研究会では、極力華やかな時事的な話題を避けて、重厚な人間の学としての国際政治学に取り組みたいと思っています。わずか10年前に世間の耳目を騒がせていた国際政治関連の言説を今、見てみれば、その多くがいかに見当はずれだったかに気づきます。人間の認識能力など、たかが知れているのだから流行の議論を追っていくというのも一つの「割り切り」かもしれませんが、より愚直に歴史や古典を重視して、めまぐるしく動く「現実」からほどよい距離感覚を学生に得てもらうように努力しています。4年生になると、より個別的な共通テーマを設定し、各人が卒業研究をまとめるという形で研究会を運営しています。というわけで、3年生の間にツキジデスを読んだ、E・H・カーの書物を読んだりもしてきました。またゼミ合宿では、4年生から3年生へ問題を出し、グループごとに解答をするというようなことも行います。

私の研究会では「就職に役に立つ知識」を、要領よく身につけられるわけでは全くありません。卒業生の進路も、法曹界や公務員から、脱サラ大学院生まで実に多様です。与えられた課題に「正解」を出すことを求められてきた学生にとって、実は重要な問題には往々にして「正解」はなく、そもそも「問うべき問題が何か」ということを考えることの方が大切である、とわかってもらう方が、教育としては大切なのではないだろうかと考えています。

教員のプロフィール

1956年大阪生まれ。京都大学大学院およびロンドン・スクール・オブ・エコノミックスに学ぶ。防衛大学校教授などを経て、2002年より現職。著書に『「アメリカ」を超えたドル』(中央公論新社・2001年)など。

真の知的な営みを求めて

松田 弘貴(まつだ ひろき)
商学部4年
田所研究会では、セミナーを「知的な営み」と捉え、3年生は20世紀の国際政治史を学んでいます。今年の4年生は各自の問題意識を元に「エネルギーの国際政治」というテーマで卒業論文を作成します。田所教授はテーマや形式を強制することはなく、学生の自主性を重視し、熱心に指導してくださっています。指導の過程においても答えではなくヒントを私たちに与えてくださいます。混迷を極める現代社会。激動の時代だからこそ表層的なスキルではなく、汎用性のある知識が求められているのかもしれません。混迷の時代を生き抜くために、教授と学生が同じ机を囲み一同になって考え、議論をする研究会での活動は、すぐに「正解」は導けないかもしれませんが、その過程が大いに意味のある「知的な営み」ではないかと私は考えています。
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