メインカラムの始まり
[半学半教] 広い視野からの新薬開発(薬学部教授 諏訪俊男)
2009/09/07 「塾」2009年SUMMER(No.263)掲載
※職名等は掲載当時のものです。
「優れた医薬品の開発を促進し、新薬を世界中の患者のもとへ迅速に届ける」(ICHの理念)を掲げ、新薬開発に関わる多様な課題研究を展開。
「優れた医薬品の開発を促進し、新薬を世界中の患者のもとへ迅速に届ける」(ICHの理念)を掲げ、新薬開発に関わる多様な課題研究を展開。
諏訪 俊男(すわ としお) 薬学部教授
わが国の薬系大学は、明治以来、理化学中心の基礎薬学を柱に発展してきた経緯がある。近年、超高齢社会の到来、医療技術の高度化が進む中で、医療に精通した薬剤師の養成が喫緊の課題となり、平成18年度より修業年限6年の新たな薬学教育がスタートした。しかし、基礎薬学研究者と医療人である薬剤師の間に位置する新薬開発技術者の養成は、わが国の薬学教育からは抜け落ちているように思われる。医薬品開発の科学・技術は様々な分野の自然科学は勿論のこと、社会科学、倫理学、経済学などの学際領域を包含した極めて重要な学術研究分野と言える。
当講座は、医薬品開発・臨床薬物評価を扱うわが国ではユニークな講座として平成16年に創設され、教員はいずれも製薬企業で長年新薬開発の実務経験を有している。社会人院生が多いのも講座の特徴であり、彼らは医療機関の治験コーディネーターや企業の学術部門、行政の審査担当者など様々なバックグラウンドを持つ。研究課題も仕事に関連したテーマを設定し、ゼミでの研究報告や討論は我々にとっても貴重な情報源となっている。「半学半教」そのものである。また、「特別講義」と称して、新薬開発の第一線で活躍している国内外の著名な講師を招聘したセミナーを開催しており、最近は学外からの参加者も含め100名ほどに膨れ上がっている。質疑応答では学生に最初に質問することを課しているが、自分の研究テーマについてコメントを求める学生や、「先生は研究者として入社したのに、いつ、どのような動機で社長になろうという野心を抱いたのか」といった司会を慌てさせる質問も飛び出す。セミナーのあとはライトアップされた東京タワーを正面に見る談話室で、ビールとつまみのささやかな懇談会を催しているが、この時も学生同士で固まることを禁じている。企業経営者や開発マンと談笑する彼らの顔はいつしか紅潮してくるが、それはアルコールのせいばかりではない。
当講座は、医薬品開発・臨床薬物評価を扱うわが国ではユニークな講座として平成16年に創設され、教員はいずれも製薬企業で長年新薬開発の実務経験を有している。社会人院生が多いのも講座の特徴であり、彼らは医療機関の治験コーディネーターや企業の学術部門、行政の審査担当者など様々なバックグラウンドを持つ。研究課題も仕事に関連したテーマを設定し、ゼミでの研究報告や討論は我々にとっても貴重な情報源となっている。「半学半教」そのものである。また、「特別講義」と称して、新薬開発の第一線で活躍している国内外の著名な講師を招聘したセミナーを開催しており、最近は学外からの参加者も含め100名ほどに膨れ上がっている。質疑応答では学生に最初に質問することを課しているが、自分の研究テーマについてコメントを求める学生や、「先生は研究者として入社したのに、いつ、どのような動機で社長になろうという野心を抱いたのか」といった司会を慌てさせる質問も飛び出す。セミナーのあとはライトアップされた東京タワーを正面に見る談話室で、ビールとつまみのささやかな懇談会を催しているが、この時も学生同士で固まることを禁じている。企業経営者や開発マンと談笑する彼らの顔はいつしか紅潮してくるが、それはアルコールのせいばかりではない。
教員のプロフィール
1971年東京教育大学農学部農芸化学科卒業。同大学院農学研究科修士課程修了。1973年大正製薬株式会社総合研究所薬物動態研究室。同室長、臨床開発部長、開発研究所長を経て、2004年より現職。専門分野:医薬品開発学、臨床薬物評価学。
くすりの開発を実践的に学ぶ
菊浦 雅文(きくうら まさふみ)
薬学研究科修士課程1年
薬学研究科修士課程1年
本研究室では、臨床薬物評価の論理と技法、レギュラトリーサイエンスなど新薬開発での様々な課題を実践的に学んでいます。私は、最近がん治療領域で注目されている分子標的薬の薬剤経済学に取組んでいます。臨床論文を調査し、その治療効果を明らかにしたのち薬剤経済学的解析を行うもので、この領域は新薬開発においても今後の重要な課題となっています。
講座に入った当初は、院生たちの討論がちんぷんかんぷんで全く理解できませんでしたが、卒論をまとめ修士課程に進んだ今では、発表の際に浴びせられる厳しい質問にもどうにか回答できるようになりました。教授、准教授ともに医薬品の開発研究に携わった経験をもとに指導して下さるので、将来、新薬開発技術者として必要な知識・考え方や様々なスキルを身につけることができます。また、学外講師による「特別講義」では、あらかじめ講師の経歴や業績の調査など準備が大変ですが、私たちにとって良い刺激となっています。
講座に入った当初は、院生たちの討論がちんぷんかんぷんで全く理解できませんでしたが、卒論をまとめ修士課程に進んだ今では、発表の際に浴びせられる厳しい質問にもどうにか回答できるようになりました。教授、准教授ともに医薬品の開発研究に携わった経験をもとに指導して下さるので、将来、新薬開発技術者として必要な知識・考え方や様々なスキルを身につけることができます。また、学外講師による「特別講義」では、あらかじめ講師の経歴や業績の調査など準備が大変ですが、私たちにとって良い刺激となっています。
























