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[半学半教] 人間の福祉に役立つ有用生物活性物質の創製に向けて(理工学部教授 西山 繁)
2009/06/01 「塾」2009年SPRING(No.262)掲載
※職名等は掲載当時のものです。
医薬品など、生物に重要な働きを持つ天然有機化合物を手本として、
より有用な人工活性物質を環境に優しい有機電気化学でつくり出す。
医薬品など、生物に重要な働きを持つ天然有機化合物を手本として、
より有用な人工活性物質を環境に優しい有機電気化学でつくり出す。
西山 繁(にしやま しげる) 理工学部教授
現在に至る科学技術の発展により数多くの重篤な疾患が克服されてきましたが、ガン、院内感染で知られる多剤耐性菌、さらに高齢化や生活習慣に伴う疾病の増加などに対して、化学療法剤の果たす役割は今後ますます大きくなるものと予想されています。古くから人類は、動植物から採取した民間伝承薬を利用してきました。しかし、このような伝承薬の活性本体となる有益な有機化合物そのものは通常極微量しか得られないことが多く、社会的要求に応えるための一つの手段として、それら特異な構造を持つ有機化合物の化学合成による供給が必要不可欠となっています。このようなことから我々は「社会的意義の大きさ」を重要な研究目的の一つとして化学合成の標的化合物を設定しています。
さらに、顕著な生物活性を有する天然有機化合物そのものを化学合成するだけでなく、巧妙なメカニズムで生体系とかかわり活性を発現する天然有機化合物を手本に分子デザインされた化合物を、有機合成化学という強力な武器を用いて実際に合成することで、天然を超える人工生物活性物質の創製が可能になるものと考えています。
一方、現在のように地球環境問題がクローズアップされている状況では、有機化学の研究で用いられる有機溶媒や反応試薬の類も、できるだけ使用量を減らし、「環境に優しい」化学合成へと方法論の転換を迫られています。我々は、クリーンエネルギーである「電気エネルギー」を用いた「有機電解反応」で、できるだけ有毒な反応試剤を用いずに、重要な活性をもつ生物活性物質を合成しています。特に、電極表面を反応場とする電解合成で有用な生物活性物質を作り出す研究は、世界的に見ても当研究室の独壇場といえます。
さらに、顕著な生物活性を有する天然有機化合物そのものを化学合成するだけでなく、巧妙なメカニズムで生体系とかかわり活性を発現する天然有機化合物を手本に分子デザインされた化合物を、有機合成化学という強力な武器を用いて実際に合成することで、天然を超える人工生物活性物質の創製が可能になるものと考えています。
一方、現在のように地球環境問題がクローズアップされている状況では、有機化学の研究で用いられる有機溶媒や反応試薬の類も、できるだけ使用量を減らし、「環境に優しい」化学合成へと方法論の転換を迫られています。我々は、クリーンエネルギーである「電気エネルギー」を用いた「有機電解反応」で、できるだけ有毒な反応試剤を用いずに、重要な活性をもつ生物活性物質を合成しています。特に、電極表面を反応場とする電解合成で有用な生物活性物質を作り出す研究は、世界的に見ても当研究室の独壇場といえます。
教員のプロフィール
1971年慶應義塾大学工学部応用化学科卒業。1977年同大学院工学研究科博士課程修了(工学博士)。アレキサンダー・フォン・フンボルト研究員(ダルムシュタット工科大学)を経て1980年慶應義塾大学工学部助手に就任後、1997年より現職。専門は、天然物合成化学、有機電気化学。
毎日が新しい分子との出会い
森 千春(もり ちはる)
理工学研究科修士課程1年
理工学研究科修士課程1年
化学科で天然物合成といえば“西山研” という感じで、抗ウイルス作用や美肌に効果がある天然物などを合成しています。有機合成の研究室はどこでも朝から晩まで研究しているというイメージですが、まさにその通りです。合成した物質が世の中に出回ることはあまりありませんが、時には特許をとる価値のあるものもあり、企業から提携の話が来ることもあります。
大変なことが多々ありますが、国内学会も年に数回行くこともありますし、数年に1 回は国際会議に出るチャンスなどもあり、いろいろなところへ行けるというビッグボーナスがあったりします。
西山研の卒業生の多くは製薬会社に就職し創薬の研究を行っていますが、そのための基本的技術を修得するにはすばらしい環境だと思います。
大変なことが多々ありますが、国内学会も年に数回行くこともありますし、数年に1 回は国際会議に出るチャンスなどもあり、いろいろなところへ行けるというビッグボーナスがあったりします。
西山研の卒業生の多くは製薬会社に就職し創薬の研究を行っていますが、そのための基本的技術を修得するにはすばらしい環境だと思います。
























