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[半学半教] 知ること、そして立ち向かうこと。正義の一歩先へ(法学部准教授 フィリップ オステン)

2009/04/20 「塾」2009年SPRING(No.262)掲載
※職名等は掲載当時のものです。

国際社会における「法の支配」の確立を目指して新しい学問分野である「国際刑事法」を学生とともに研究するのは、何よりもやり甲斐のある仕事です。
現在、3・4 年生で総数46名、院生2名。

フィリップ オステン(Philipp OSTEN)法学部准教授

研究会の皆さん
国際刑事法とは、国内刑事法の国際的な側面と国際法の刑事法的な側面とを一円的に対象とする比較的に新しい学問領域です。

前者は、例えば、近時、日本で轢き逃げや殺人などを起こして母国に逃げ帰る外国人犯罪者が増加の一途を辿っていますが、彼らを果たして訴追・処罰できるのか、という問題を扱います。後者は、主として、(より深刻な)国家権力を背景とした大量虐殺などを適切に訴追・処罰できるのか、という問題を扱います。

一見すると後者の問題は日本にはあまり関係がないかのように思われます。しかし、東京裁判は、初期国際刑事法を語る上では忘れてはならない出来事です。日本では未だに東京裁判の正否を巡っての論争がありますが、今日の国際社会は、ニュルンベルク裁判や東京裁判の経験を踏まえて、常設の国際刑事裁判所(ICC)を設立したのです。日本も2007年にICCに加入しました。

このように、日本は当事国として国際刑事法の出生に立ち会っていたのですが、歴史学的にはともかく、今までは法学的な研究はほとんど行われてきませんでした。そのため、例えば、通常の国内刑法であれば、学説や判例の基盤もありますが、国際刑事法にはまだこれらの蓄積があまりありません。つまり、自分の独創性が結構求められるわけです。また、日本ではゼミで国際刑事法を専門としているところは、今でも非常に少なく、実際には、2004年に発足したわがゼミが日本初の国際刑事法ゼミだったのです。

しかし、だからこそ、新しい学問分野を開拓していくことにやり甲斐を感じています。これからも、教師と学生が一丸となって、この「未知の」領域を積極的に研究していきたいと思います。そして、いつの日にか、国際刑事司法の最前線で活躍できる人材を輩出することができれば望外の幸せです。
〈ゼミURL:http://www.osten-seminar.net/外部サイトへのリンク

教員のプロフィール

1999年ベルリン・フンボルト大学法学部卒業。2002年慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程修了。慶應義塾大学法学部専任講師を経て、2007年より現職。国際刑事法全般を研究し、本塾法科大学院でも教鞭を執る。法学博士。

時代の「先導者」たれ

横濱 和弥(よこはま かずや)
法学研究科修士課程1年
わがゼミは日本初の国際刑事法ゼミです。法分野として確立してからの日も浅く、ゼミ発表の準備をしていても、「文献が少ない」、「外国語文献しかない」ということは日常茶飯事。分からないことだらけではありますが、「半学半教」の文字通り、時には教えられることもあり、時には教えることもあり、と日夜奮闘しています。

発表は学生が主役です。事前に示されたテーマから自由に選んで調査し、報告を行います。この時、先生からはもちろん、ゼミ生からも鋭い質問がどんどん出てきます。議論が白熱して、ゼミの時間が7時、8時……と延長されることも珍しいことではありません。

国際刑事法も、私たちも、まだまだ発展途上の段階にあります。しかし、今後ともオステン先生のご指導の下ゼミの仲間とともに、国際刑事法の「先導者」たらんと一路邁進していきたいと思います。
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