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[半学半教] 脳ができるしくみを探る(医学部教授 仲嶋一範)

2008/10/01 「塾」2008年SUMMER(No.259)掲載
※職名等は掲載当時のものです。

「こころ」の働きを担う脳の形作りが、
発生過程でいかにして再現性良く達成されるのかを明らかにすることを目指しています。

仲嶋 一範(なかじま かずのり) 医学部教授

研究室の皆さん
私たちの大脳皮質は「進化の最高傑作」ともいわれ、高等動物特有のさまざまな高次機能を担っている場所です。まさに「ヒトをヒトたらしめている」組織といっても過言ではないでしょう。私たちは、この大脳皮質を主な対象として、個々の細胞たちが細胞分裂によって誕生した後に目的地に向かって遊走し、さらに機能的な回路網を形作っていくプロセスをつぶさに観察しています。技術の進歩によって、生きた細胞たちが織りなす形作りのドラマを、実際にリアルタイムで観ることができるようになりました。そして、その背後に動いているメカニズムを、分子・細胞レベルで明らかにすることを目指して研究を行っています。

脳に限らず多細胞生物の多くの組織では、構成要素の細胞が揃っているだけでは組織としての正常な機能を果たすことができず、それらが相互に的確な関係を構築することによって、初めて本来の機能を営むことができます。福笑いの顔で喩えるなら、顔を構成する要素、例えば眼とか鼻とか口とかが顔の輪郭の中にランダムに並んでいても、「顔」としての意味はありません。それらが一定のルールできちんと並ぶと、初めて特定の人の顔になるし、それらが別のルールで並ぶと、別の人の顔になるわけです。同じように多細胞生物の細胞社会は、1+1+1+……が 100とか1000とかになるだけでなく、AとかBというように、質的に全く異なるものが生まれてくるのが特徴です。私たちが理解したいと思っているのは、このための「ルール」です。ちょうど人間社会が、個々人の単なる集合ではなく、相互依存しながら社会というものを構成し、個人レベルでは成しえないような大きな動きをみせるように、脳という組織は、それぞれに特徴を持った種々雑多な細胞たちから成る”細胞社会“を構成して、全体として大きな振る舞いをしているように思えます。この振る舞いとは、まさに「ヒトをヒトたらしめている」営みであり、「こころ」の働きに他なりません。頭の中を真っ新にして素直に細胞たちに聞いてみる」ことと、教員か学生かを問わず、多彩な背景を持った研究者たちが対等な立場で自由闊達に議論することが、ルール」を理解するためには重要なのだと考えています。

教員のプロフィール

1988年慶應義塾大学医学部卒業。同大学病院内科研修医を経て、1994年大阪大学大学院医学研究科博士課程修了、博士(医学)。日本学術振興会特別研究員(PD)、理化学研究所研究員、米国聖ジュード小児研究病院客員研究員等を経て、1998年東京慈恵会医科大学DNA医学研究所部門長・講師、2001年同助教授。1999年JSTさきがけ研究21研究者(兼任)。2002年4月より現職。
http://web.sc.itc.keio.ac.jp/anatomy/nakajima/index.htm外部サイトへのリンク

研究の醍醐味

森本 桂子(もりもと けいこ)
医学部5年
一般には研究室の構成メンバーとして医学部の学部生はあまり多くないようですが、仲嶋研究室には2年生から5年生の多くの学部生が所属しています。
このように多くの学生を魅了するこの研究室の特徴は学生であってもモチベーション次第では自らの疑問点に端を発する研究が可能な点が上げられると思います。私自身、大脳皮質を構成する細胞と髄膜の関係について興味を持ち、新たに小グループを立ち上げて毎週のグループミーティングで先生方から貴重なアドバイスや御指導をいただきながら実験を進めてきました。同じように実験に取り組む他の学生にも支えられ授業後や部活動後の実験も苦になることなく継続でき、学会で口頭発表を行えるだけの成果を得ることもできました。
今日目覚ましい進歩を遂げている脳の研究の第一線を担う研究室において、このように自らの興味を追求するという研究の醍醐味を味わえるというのは仲嶋研ならではだと感じています。
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